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September 26, 2005

闘病7日目 <2003.7.18> [ ぽよの闘病日記 ]


ぽよの病気との戦いは、長期戦になると思います。この子が頑張っているのに、母親の私が頑張らなくてどうする!という思いが芽生えてきました。やっと。

昨晩も発作を連続で起こしました。その後も呼吸が荒く、苦しそうだったので本気で「これから益々薬が効かなくなって発作が酷くなるかもしれない。その時はこれ以上苦しませない事を考えるときだ」と覚悟しました。ところが、今朝起きたらご飯は缶詰半分以上食べ、歩き方も多少ふらつきがあるものの、今までに比べるとしっかりしている。お尻のあたり中心に身づくろいまで。「今日は元気そう」と思いました。昨日の様子が酷かったのと、私が仕事にならなかったので今日は休みを貰っていたのですが、昼間は私がぽよのとなりで横になっていると足に寄り添って甘えるように寝始めました。元気な頃と同じ行動です。ものすごく嬉しかった。でも、油断は出来ない、と思っていたら案の定夕方酷い発作を起こしました。

病院に薬を取りに行った際に先生に今度の話を伺ってきました。簡単に言うと様子を見ていくしかないと言う事。簡単に、考えられるぽよの病気を書きます。

「猫伝染性腹膜炎(FIP)」とは:
風邪よりも弱いウィルスで、感染しても通常であれば下痢などの症状でおさまる程度の「猫腸コロナウィルス」が、ストレスやその他の原因で猫の体内で突然変異を起こすと「FIPウィルス」に変化する。その「FIPウィルス」が、激しいアレルギー反応や免疫系のバランスが崩れる事により発症する。ウィルス感染した猫の中で、発症するのは10~20%と、発症率は低いが、発症後の死亡率はきわめて高い。

症状:2タイプの症状がある。

ウェットタイプ・・・主に腹水、胸水がたまり呼吸困難を起こす症状が多い。初期には発熱、食欲減退、脱水症状などがあり、腹水が溜まる事で比較的気付きやすく、判断しやすい。FIPウィルスに感染して発症した場合、約75%がこのウェットタイプ。

ドライタイプ・・・ウェットタイプよりも症例が少なく、症状も多様な為FIPであるという診断がしづらい。ドライタイプの方がゆっくりと症状が進み、様々な臓器に影響を及ぼす。慢性的体重減少、発熱、ぐったりするなどの症状が数週間続いた後、腎臓、肝臓障害、膵臓、中枢神経系、目に症状が出る事がある。運動能力の低下、けいれん発作などの神経症状が出たり、性格が変わる、粗相をするなどの脳神経系の症状が出る事もある。

治療:
現在ではウィルスの予防は不可能。ヨーロッパ、アメリカでは生ワクチンがあるが、安全性と効果の保障がなされていないので日本では使用していない。発症した後の治療方法も無い。痛みや症状を和らげる療法しか今のところはない。貧血、衰弱、神経症状が出ると治療の望みは無い。

これは私が様々な本やネットで情報を得て、私なりにまとめたものです。これによるとぽよの症状はまさにドライタイプの神経症状が出ているパターンに当てはまります。最悪の発症例。なので、お医者様も私も「もう助からない。出来るところまでの延命治療しか出来ない」と判断したのですが、今日のお医者様のお話だと、ほんの少し希望が見えるとのこと。

というのは、最初の二日間のぽよの「一時間おきの酷い発作」というものはまさにFIPウィルスが脳神経を犯しているために起こる症状で、かなり危険な状態だったそうです。それが後の二日間は薬で発作を抑える事が出来た。もしFIPウィルスによる神経症状だったらここまで抑える事は出来なかったのではないか。あの回復は奇跡的で、今の状態を見ると可能性はある。

まず、食欲があると言う事。ぽよは発作を起こした日の朝から異様に食欲があるのです。今投与している薬は強肝剤と、発作を抑える薬なのですが、この薬自体に食欲増進の作用があると言う事と、痙攣発作を起こすと、食欲の中枢を刺激して食欲が増進されるそうなのです。なので痙攣発作の後はけろっとしてがつがつを餌を食べる事が多いそうです。

そういう食欲増進の原因があるにしても、もしFIPや脳腫瘍などによる発作を薬で無理やり抑えていた場合、薬が効かなくなったり、衰弱したりするそうですが、それが今のところは無い。発作が起きても耐える体力を保持する為にも食べる事は必要だとの事。この食欲のお陰で暫く発作に耐える事が出来るであろうという所見。

もうひとつは普段の行動(足に擦り寄って甘える。身づくろいをするなど)が徐々に増えてきた事。もしFIPウィルスが完全に脳に入り込んでいたら、もっと脳障害の症状が増えていくだろうとの事。今も脳障害の症状は思いっきりあるのですが(平衡感覚がなくなっているように見える。眼の機能、など)、酷くなっているよりは多少回復に向かっているように見受けられる、という所見。

この2つの所見から、もしかしたら、FIPウィルスによって一時的に神経症状を出したが、完全に脳が犯されているわけではなく、回復の見込みがある、という可能性。FIPウィルスには感染しているが、発症はしていなくて、今回の神経障害は他の原因によるもので、後天性であれば治癒の可能性あり。という可能性。

が、ないわけではない。との事でした。今日のお話だと。

確かに私が調べた限りでもドライタイプのFIP発症は断定しづらいと思うのです。FIPウィルス抗体価検査では、今回は数値が「400倍から6400倍、感染が示唆される」というものでした。この抗体検査はコロナウィルスの抗体を調べる検査であって、FIPウィルスの抗体検査ではないそうです。なので、出ている症状とあわせて、コロナウィルスがFIPウィルスに変化し、発症しているか、判断するしかないそうです。今の獣医学では。

ぽよは症状はぴったり当てはなるので、発症している可能性は90%くらいかもしれない。でも、この子に生命力が十分あるのも、この七日間でわかりました。

今また発作を起こしました。少し酷い発作。歯を剥き出しにしてものすごく苦しそうでした。薬を飲ませて今は落ち着きましたが、呼吸は早いです。この姿を見ると、果たしてこの、様子を見る事、延命治療はこの子のためにいいのだろうか。苦しみを長引かせているだけなのでは。と感じます。母は安楽死を望んでいます。姉は出来るところまでの延命治療を望んでいます。私はどちらともいえません。

赤坂に猫の権威というお医者様の居る動物病院があるらしいので、明日電話だけでもしてみるつもりです。FIPのドライタイプ、神経症状が出るという症状は、ケースとして少ないらしいのでお医者様も症例をたくさん見ているわけではないのかもしれません。そう思うとできるだけ詳しいお医者様の意見を聞きたいです。

ネットで腹膜炎の猫の闘病記をいくつか読みましたが、どれもウェットタイプ。ぽよの症状について実例を書いたものは見つかりません。

もしぽよが生き延びたとしても、亡くなったとしても、いずれぽよの闘病記をサイトにしようと思います。同じ病気の猫の飼主さんが、少しでも勇気を出せるように。

あとひとつ、FIPの約1割~2割という発症の原因になるものは、猫のストレスという説もあります。住環境のストレスが大きく起因すると。それによって自分を責める飼主さんも多いそうです。私もここ数日自分を責めました。でも、今は責めるよりもぽよを守らなければ。

<今日の発作> 深夜:中程度の発作2回連続 夜:重めの発作1回 かなり重い発作1回

投稿者 kiyo : September 26, 2005 12:44 AM

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